迷言もあるが名言もある。多くのファンに愛されたプロ野球選手
「空が見えない中で野球をするのは寂しいな」と、日本初のドーム球場が建てられた際にポツリと呟いたプロ野球選手がいました。
多くの選手がドーム球場の完成を歓迎している中でこのような味わい深い名言を残したのは、昭和の野球界でも一際目立っていた「絶好調男」中畑清でした。
中畑清は読売ジャイアンツにドラフト3位で入団後、7年連続でゴールデンクラブ賞を受賞するなどして活躍する傍ら、持ち前の明るいキャラクターと派手なパフォーマンスでジャイアンツファンだけではなく多くのプロ野球ファンに愛された選手でした。
ダジャレ好きで知られる中畑清には多くの迷言もあるのですが、現役引退後、横浜DeNAベイスターズの監督に就任した際に残した、お調子者の中畑清の口から出たとは思えない男気溢れる名言はあまり知られていません。
「監督は鬼にならないといけない。選手を地獄へ連れていってやる。もちろん監督も一緒に地獄へ行く」
という覚悟で当時弱小球団であったベイスターズと4年間向き合い、2度最下位を脱したものの契約最終年には再び最下位へと転落し、
「監督の仕事は責任を取ることしかない。勝てば選手、負ければ監督。それでいい」
と淡々と言い放ち、続投が望まれる中で潔くユニフォームを脱いだのです。
中畑清の監督退任会見には数百人を超える多くのファンが駆けつけました。迷言もあれば名言もある。そんな人間味のある中畑清だからこそ、プロ野球ファンに長く愛され続けているのでしょう。
彼が野球界を去る時には、「中畑清のいない野球界はさみしいな」と呟くファンがいるかもしれません。